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電気代

【節電の目安】家庭での「平均的な」電気使用量(kWh)を調べてみた

節電
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2022年の冬は、国(経済産業省)が旗振り役の節電キャンペーン(節電プログラム)が実施され、参加者には節電ポイントが付与されます。
※<参考>産経新聞webサイトの記事(2022年10月11日)

また、2021年からの、燃料費調整制度等による電気代の値上りもあり、電気代削減のために節電をされている方もいらっしゃると思います。
※<参考>電気の料金プラン(電力会社)の乗換え前には「燃料費調整制度」を要チェック
※<参考>2021年10月分~2022年10月分の電気代の値上り推移一例は、次のグラフの通り。

電気代推移グラフ(東京新聞)

出典:東京新聞 TOKYO Web,2022年9月15日記事
https://www.tokyo-np.co.jp/article/202190

 

私も、節電キャンペーンに参加し、電気代削減のために節電を心掛けています。

そんな中で気になったのが、「平均的な」電気使用量(kWh)です。

節電をする中で、自分の(自宅の)電気使用量が平均値と比べて多いのか少ないのか、気になりだしました。

そこで今回は、家庭での電気使用量の平均値について調べた結果をご紹介します。

皆さんの節電の目安になれば幸いです。

 

1.時代別の一世帯あたりの平均電気使用量

データとして、①電気事業連合会webサイト掲載のデータと、②東京電力ホールディングスwebサイト掲載のデータを見つけました。

①電気事業連合会webサイト掲載のデータ

大手電力会社(旧一般電気事業者)10社でつくる業界団体「電気事業連合会」のwebサイトに、次のグラフが掲載されています。

なお、グラフ左下の「(注)数値は9電力会社平均値」の意味については、おそらく「沖縄電力を除いた大手電力会社9社の平均値」だと思われます。
※根拠は、沖縄電力が電気事業連合会に加入したのが2000年だからです。

年代別kWh表抜粋(電事連)

出典:電気事業連合会webサイト,日本の電力消費,2022年10月18日時点
https://www.fepc.or.jp/enterprise/jigyou/japan/index.html

このグラフからは、9電力会社平均値の一世帯あたりの1カ月の平均電気使用量が、
2005年の304.7kWhをピークに、
2015年には247.8kWhに減少していることが分かります。

 

②東京電力ホールディングスwebサイト掲載のデータ

東京電力ホールディングスのwebサイトに、次のグラフが掲載されています。

年代別kWh表抜粋(東電)

出典:東京電力ホールディングスwebサイト,
家庭1軒あたりの使用量と契約電力(当社サービス区域1カ月平均),
2022年10月18日時点
https://www.tepco.co.jp/corporateinfo/illustrated/power-demand/residential-customer-j.html

このグラフからは、東電のサービス区域内の一世帯あたりの1カ月の平均電気使用量が、
2010年の304.7kWhをピークに、
2015年には248.7kWhに減少していることが分かります。

 

以上のように、電事連および東電がwebサイトに掲載しているデータはとても似ていて、
一世帯あたりの1カ月の平均電気使用量は2005年頃~2010年頃をピークに、
2015年には250kWh弱まで減少しています。

ただし注意いただきたい点としては、一世帯あたりの1カ月の平均電気使用量は、時代によって上下するだけでなく、下記2~5のように、地域・季節(月)・住居形態・世帯内の人数や年齢層によっても上下するということです。

 

2.地域別の一世帯あたりの平均電気使用量

データとして、①環境省webサイト掲載のデータと、②各大手電力会社webサイト掲載のデータを見つけました。

①環境省webサイト掲載のデータ

環境省のwebサイトに、次のグラフが掲載されています。

なお、グラフに記載されている電気使用量(kWh)は「年間」の値なので、これを「月間」の値にするには12で割る必要があります。

地域別kWh表抜粋(環境省)

出典:環境省webサイト,家庭でのエネルギー消費量について,2022年10月17日時点
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/kateico2tokei/2019/result3/detail1/index.html

このグラフに記載されている「年間」電気使用量を12で割った、地域別の一世帯あたりの1カ月の平均電気使用量は次の通りです。

北海道  297.25 kWh
東北   378.91…kWh
関東甲信 309    kWh
北陸   465.75 kWh
東海   340.25 kWh
近畿   320.83…kWh
中国   414.83…kWh
四国   387.5   kWh
九州   355.33…kWh
沖縄   296.33…kWh
全国   337.25 kWh

このデータでは、
平均電気使用量が一番「多い」地域は、北陸の年間5,589kWh(月間465.75kWh)で、
平均電気使用量が一番「少ない」地域は、沖縄の年間3,556kWh(月間337.25kWh)と、
その差は年間2,033kWh(月間128.5kWh)となっています。

 

②各大手電力会社webサイト掲載のデータ

各大手電力会社のwebサイトには、各年月の燃料費調整による「家庭向けの標準的な規制料金プラン契約者への影響額」が掲載されており、その算定条件として「電気使用形態(電気使用量など)のモデル値」が記載されています
※ネット検索で、「燃料費調整 影響額 モデル ~電力」と入力すれば、各大手電力会社の該当ページを見つけられます。

例えば、東京電力エナジーパートナーのwebサイトには、次の通り、「平均モデル(260kWh/月)」と記載されています。

平均モデル(東電)

出典:東京電力エナジーパートナーwebサイト,
燃料費調整のお知らせ(2022年11月分),
2022年10月18日時点
https://www.tepco.co.jp/ep/private/fuelcost2/new/index-j.html

各大手電力会社が設定する1カ月の電気使用量のモデル値は、次の通りです。
※2022年11月の燃料費調整による規制料金プラン契約者への影響額が掲載されているwebページ内のモデル値です。

北海道電力         230kWh
東北電力          260kWh
東京電力エナジーパートナー 260kWh
中部電力ミライズ      260kWh
北陸電力          230kWh
関西電力          260kWh
中国電力          260kWh
四国電力          260kWh
九州電力          250kWh
沖縄電力          260kWh

このデータでは、
北海道電力・北陸電力・九州電力以外の大手電力会社は、260kWhを、1カ月の電気使用量のモデル値として設定していることが分かります。

ちなみに、資源エネルギー庁のwebサイトには、「一般的な家庭での平均モデル負担額(月260kWh)で」との記載があります。

エネ庁のモデル値

出典:資源エネルギー庁webサイト,日本のエネルギー 2021年度版 「エネルギーの今を知る10の質問」,2022年11月2日時点
https://www.enecho.meti.go.jp/about/pamphlet/energy2021/002/

 

3.月別の一世帯あたりの平均電気使用量

データとして、①価格.com webサイト掲載のデータと、②東北電力webサイト掲載のデータを見つけました。

①価格.com webサイト掲載のデータ

価格.comのwebサイトに、次の表が掲載されています。

なお、この表の左上には「二人以上世帯の~」と記載されているので、一人世帯のデータは含まれていないことになります。

また、この表の左下には「*総務省統計局の家計調査データをもとに作成」と記載されています。

月別kWh表抜粋(価格ドットコム)

出典:価格.com webサイト,真夏と真冬、電気を多く使うのはどっち?,2022年10月17日時点
https://kakaku.com/energy/article/?en_article=45

この表では、
平均電気使用量が一番「多い」月は、全ての年で2月で、いずれも500kWh台後半であり、
平均電気使用量が一番「少ない」月は、2010年は12月、2011年は11月、2012年は7月、2013年は6月で、いずれも300kWh台となっています。

 

②東北電力webサイト掲載のデータ

東北電力のwebサイトに、東北各県・世帯人数・料金プランが電化向けか否かに応じた、月別の平均電気使用量の表が掲載されています。

例えば、宮城県・4人世帯・料金プランは非電化向け(家庭向け基本プラン)の、月別の平均電気使用量として、次の表が掲載されています。
※他の条件の表は、東北電力のwebサイトをご覧ください。

東北電力(宮城・4人・非電化) 東北電力(注意事項)

出典:東北電力webサイト,よく似たご家庭と比較,2022年11月14日時点
https://www.tohoku-epco.co.jp/energy_saving_cp/2022winter/checksheets.html

この表では、
平均電気使用量が一番「多い」月は1月で、536kWhであり、
平均電気使用量が一番「少ない」月は6月で、259kWhとなっています。

 

4.住居形態別・世帯人数別の一世帯あたりの平均電気使用量

東京都環境局のwebサイトに、次の表が掲載されています。

住居・季節・人数別kWh表抜粋(東京都) 住居・季節・人数別kWh表抜粋2(東京都)

出典:東京都環境局webサイト,家庭におけるエネルギー使用状況,2022年10月17日時点
https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/climate/home/energy.html

この表では、
「2人世帯の省エネ家庭の8月(冷房期)」および「4人世帯以上の省エネ家庭の5月(中間期)」以外の条件では、
戸建住宅の方が集合住宅よりも、一世帯あたりの1カ月の平均電気使用量が多くなっています。

また、世帯内の人数が増えるほど、一世帯あたりの1カ月の平均電気使用量は多くなっている傾向です。

 

5.世帯主の年齢層別の一世帯あたりの平均電気使用量

東京電力パワーグリッドのwebサイトに、次の表が掲載されています。

なお、この表の下には「~二人以上の世帯」と記載されているので、一人世帯のデータは含まれていないことになります。

年齢別kWh表抜粋(東電)

出典:東京電力パワーグリッドwebサイト,
電気使用量が多くなる!?4つの主な原因とその対策について徹底解説,
2022年10月17日時点
https://pgservice1.tepco.co.jp/2020/06/26/power-consumption/

この表では、
世帯主の年齢層が50~59歳の一世帯あたりの平均電気使用量が頂点で、
そこから世帯主の年齢層が、低くなる・高くなるにつれて、一世帯あたりの平均電気使用量が少なくなっています。

 

まとめ

以上のように、一世帯あたりの1カ月の平均電気使用量は、時代・地域・季節(月)・住居形態・世帯内の人数や年齢層などによって上下します。

そのため、一世帯あたりの1カ月の平均電気使用量は「~kWhだ」と、一概には言いにくいように思います。

強いて言えば、「260kWh」が一世帯あたりの1カ月の平均電気使用量、と言えるかもしれません。
※根拠は、上記2の「各大手電力会社が設定する電気使用量のモデル値」および「資源エネルギー庁が設定する電気使用量のモデル値」です。

ただ、上記3と4のデータからして、この260kWhは、1人世帯の春・秋の電気使用量としては多いですし、4人世帯の夏・冬の電気使用量としては少ないです。

上記1~5のデータのうち、実際に節電の目安(*)にできるものは、
上記3の「東北電力のデータ」と、
上記4の「東京都環境局のデータ」です。
(*)自分の(自宅の)電気使用量が平均値と比べて多いのか少ないのかを判断する目安。

上記3の「東北電力のデータ」は、県別・月別・世帯内の人数・料金プランが電化向けか否かで区分されているので、
東北にお住まいの方は、このデータを節電の目安にできると思います。

上記4の「東京都環境局のデータ」は、季節・住居形態・世帯内の人数・省エネ家庭か否かで区分されているので、
東京都と、東京都と同じような気候(気温など)の地域にお住まいの方は、このデータを節電の目安にできると思います。

それ以外の地域の方は、例えば、
「上記2の環境省のwebサイトに掲載されているグラフのデータ」から地域別の比率を算出し、その比率を「上記4の東京都環境局のwebサイトに掲載されている表のデータ」にかけ合わせる
といった方法が考えられます。

 

今回は以上になります。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!