※サンプル
(*)参考:NHKニュース
ということで、2023年7月分の電気料金について、
Japan電力の「くらしプランS」と、
大手電力会社の「家庭向け規制料金プラン」の、
料金比較シミュレーションをしていきます(計算過程も記載します)。
今回の電気代バトルの重要ポイントは、
Japan電力の「くらしプランS」には、いわゆる電源調達調整費が導入されている(=実質的に市場連動型の電気料金プランになっている)という点です。
※Japan電力では、「燃料費“等”調整額」の内訳の一つとして、電源調達調整費が導入されています。
※詳細はコチラ
<Japan電力のwebサイト抜粋>
出典:Japan電力,電気代がお得なJapan電力,2023年7月14日時点
https://www.japaden.jp/lp13/
なお、「電源調達調整費・市場連動型の電気料金プラン・規制料金プランって何?」と思った方は、次の記事をご覧ください。
皆さんの電気料金プラン選びの参考になれば幸いです!
※料金比較シミュレーションは真面目にやりましたが、ミスなどがある可能性もあるので、あらかじめご承知おきください。
※本文内の画像類は、クリック/タップすれば、拡大表示されます。
1.算定条件
◆対象年月
2023年7月分(本記事執筆年月分)
◆契約電流
30アンペア
※最低料金制のエリア(関西・中国・四国)は除く
◆使用電力量
260kWh
※下記の記事から、家庭での「平均的な」電気使用量は260kWhだと想定
◆再生可能エネルギー発電促進賦課金単価
1.40円/kWh
※この単価は毎年変更される可能性あり
※経済産業省のニュースリリース(2023年3月24日) 参照
◆Japan電力の電気料金の単価・端数処理
くらしプランSの基本料金・電力量料金の単価は、次の通り。
出典:Japan電力,電気代がお得なJapan電力,2023年7月14日時点
https://www.japaden.jp/lp13/
燃料費“等”調整額の単価は、次の通り。
※この単価は毎月変更される可能性あり
※他の年月の単価はJapan電力のwebサイト を参照
出典:Japan電力,燃料費等調整額について,2023年7月14日時点
https://www.japaden.jp/fuelcost/index.html
端数処理は、合計金額の1円未満を切捨て。
料金その他の計算における合計金額の単位は1円とし、その端数は切り捨てます。
出典:Japan電力 電力需給約款(低圧)2023年4月1日実施 Ver.2.3 第4条(4)
2.北海道電力との比較
下記の通り、北海道電力の家庭向け規制料金プラン(従量電灯B)との比較では、
Japan電力 くらしプランS(北海道)の方が2,790円安いです。
Japan電力 くらしプランS(北海道)
◆基本料金
0円
◆電力量料金(従量料金)
7,800.00円 = 30.00円/kWh × 260kWh
◆燃料費等調整額(国の補助金込み)
-1,820.00円 = -7.00円/kWh × 260kWh
◆再生可能エネルギー発電促進賦課金
364.00円 = 1.40円/kWh × 260kWh
◆合計金額(≒請求金額)
6,344.00円(≒6,344円)
北海道電力 従量電灯B
◆請求金額
9,134円
※北海道電力webサイト で行った電気料金シミュレーション(2023年7月分・従量電灯B・30アンペア・260kWh)の結果を転記
出典:北海道電力,電気料金シミュレーション従量電灯B,2023年7月7日,
https://www11.hepco.co.jp/FW15/FWPs01101JuryodentoBRyokinKeisan.do
差額
◆差額
-2,790円 = 6,344円 - 9,134円
以上の通り、北海道電力との比較では、
Japan電力 くらしプランS(北海道)の方が2,790円安いです。
3.東北電力との比較
下記の通り、東北電力の家庭向け規制料金プラン(従量電灯B)との比較では、
Japan電力 くらしプランS(東北)の方が1,087円安いです。
Japan電力 くらしプランS(東北)
◆基本料金
0円
◆電力量料金(従量料金)
7,020.00円 = 27.00円/kWh × 260kWh
◆燃料費等調整額(国の補助金込み)
-933.40円 = -3.59円/kWh × 260kWh
◆再生可能エネルギー発電促進賦課金
364.00円 = 1.40円/kWh × 260kWh
◆合計金額(≒請求金額)
6,450.60円(≒6,450円)
東北電力 従量電灯B
◆請求金額
7,537円
※東北電力のプレスリリース(2023年5月30日) に記載されている金額を転記
出典:東北電力,プレスリリース,2023年7月分の燃料費調整等について(別紙1)低圧のお客さまに適用する燃料費調整単価等
差額
◆差額
-1,087円 = 6,450円 - 7,537円
以上の通り、東北電力との比較では、
Japan電力 くらしプランS(東北)の方が1,087円安いです。
4.東京電力エナジーパートナーとの比較
下記の通り、東電の家庭向け規制料金プラン(従量電灯B)との比較では、
Japan電力 くらしプランS(東京)の方が1,417円安いです。
Japan電力 くらしプランS(東京)
◆基本料金
0円
◆電力量料金(従量料金)
7,020.00円 = 27.00円/kWh × 260kWh
◆燃料費等調整額(国の補助金込み)
-1,414.40円 = -5.44円/kWh × 260kWh
◆再生可能エネルギー発電促進賦課金
364.00円 = 1.40円/kWh × 260kWh
◆合計金額(≒請求金額)
5,969.60円(≒5,969円)
東京電力エナジーパートナー 従量電灯B
◆請求金額
7,386円
※東電のプレスリリース(2023年5月30日) 別紙に記載されている金額を転記
出典:東京電力エナジーパートナー,プレスリリース,
2023年7月分燃料費調整単価および電気料金の算定(関東エリア) <別紙1>
差額
◆差額
-1,417円 = 5,969円 - 7,386円
以上の通り、東電との比較では、
Japan電力 くらしプランS(東京)の方が1,417円安いです。
5.中部電力ミライズとの比較
下記の通り、中部電力ミライズの家庭向け規制料金プラン(従量電灯B)との比較では、
Japan電力 くらしプランS(中部)の方が1,381円安いです。
Japan電力 くらしプランS(中部)
◆基本料金
0円
◆電力量料金(従量料金)
7,020.00円 = 27.00円/kWh × 260kWh
◆燃料費等調整額(国の補助金込み)
-1,820.00円 = -7.00円/kWh × 260kWh
◆再生可能エネルギー発電促進賦課金
364.00円 = 1.40円/kWh × 260kWh
◆合計金額(≒請求金額)
5,564.00円(≒5,564円)
中部電力ミライズ 従量電灯B
◆請求金額
6,945円
※中部電力ミライズのプレスリリース(2023年5月30日) に記載されている金額を転記
出典:中部電力ミライズ,燃料費調整単価表【2023年7月分】
https://miraiz.chuden.co.jp/home/electric/contract/fuelcost/unitprice/__icsFiles/afieldfile/2023/05/31/nen_price_202307.pdf
差額
◆差額
-1,381円 = 5,564円 - 6,945円
以上の通り、中部電力ミライズとの比較では、
Japan電力 くらしプランS(中部)の方が1,381円安いです。
6.北陸電力との比較
下記の通り、北陸電力の家庭向け規制料金プラン(従量電灯B)との比較では、
Japan電力 くらしプランS(北陸)の方が2,044円安いです。
Japan電力 くらしプランS(北陸)
◆基本料金
0円
◆電力量料金(従量料金)
6,760.00円 = 26.00円/kWh × 260kWh
◆燃料費等調整額(国の補助金込み)
-1,820.00円 = -7.00円/kWh × 260kWh
◆再生可能エネルギー発電促進賦課金
364.00円 = 1.40円/kWh × 260kWh
◆合計金額(≒請求金額)
5,304.00円(≒5,304円)
北陸電力 従量電灯B
◆請求金額
7,348円
※北陸電力webサイト で行った電気料金シミュレーション(2023年7月分・従量電灯B・30アンペア・260kWh・初回振替契約割引あり)の結果を転記
出典:北陸電力,従量電灯B試算結果,2023年7月8日
https://www.rikuden.co.jp/cgi-bin/shisan/211.cgi
差額
◆差額
-2,044円 = 5,304円 - 7,348円
以上の通り、北陸電力との比較では、
Japan電力 くらしプランS(北陸)の方が2,044円安いです。
7.関西電力との比較
下記の通り、関西電力の家庭向け規制料金プラン(従量電灯A)との比較では、
Japan電力 くらしプランS(関西)の方が68円高いです。
Japan電力 くらしプランS(関西)
◆基本料金
0円
◆電力量料金(従量料金)
6,760.00円 = 26.00円/kWh × 260kWh
◆燃料費等調整額(国の補助金込み)
-1,820.00円 = -7.00円/kWh × 260kWh
◆再生可能エネルギー発電促進賦課金
364.00円 = 1.40円/kWh × 260kWh
◆合計金額(≒請求金額)
5,304.00円(≒5,304円)
関西電力 従量電灯A
◆請求金額
5,236円
※関西電力のプレスリリース(2023年5月30日) に記載されている金額を転記
出典:関西電力,プレスリリース,2023年7月分電気料金の燃料費調整
差額
◆差額
68円 = 5,304円 - 5,236円
以上の通り、関西電力との比較では、
Japan電力 くらしプランS(関西)の方が68円高いです。
8.中国電力との比較
下記の通り、中国電力の家庭向け規制料金プラン(従量電灯A)との比較では、
Japan電力 くらしプランS(中国)の方が2,140円安いです。
Japan電力 くらしプランS(中国)
◆基本料金
0円
◆電力量料金(従量料金)
6,760.00円 = 26.00円/kWh × 260kWh
◆燃料費等調整額(国の補助金含む)
-1,820.00円 = -7.00円/kWh × 260kWh
◆再生可能エネルギー発電促進賦課金
364.00円 = 1.40円/kWh × 260kWh
◆合計金額(≒請求金額)
5,304.00円(≒5,304円)
中国電力 従量電灯A
◆請求金額
7,444円
※中国電力のプレスリリース(2023年5月30日) に記載されている金額を転記
出典:中国電力,プレスリリース,2023年7月分電気料金の燃料費等調整について
差額
◆差額
-2,140円 = 5,304円 - 7,444円
以上の通り、中国電力との比較では、
Japan電力 くらしプランS(中国)の方が2,140円安いです。
9.四国電力との比較
下記の通り、四国電力の家庭向け規制料金プラン(従量電灯A)との比較では、
Japan電力 くらしプランS(四国)の方が1,851円安いです。
Japan電力 くらしプランS(四国)
◆基本料金
0円
◆電力量料金(従量料金)
6,760.00円 = 26.00円/kWh × 260kWh
◆燃料費等調整額(国の補助金込み)
-1,820.00円 = -7.00円/kWh × 260kWh
◆再生可能エネルギー発電促進賦課金
364.00円 = 1.40円/kWh × 260kWh
◆合計金額(≒請求金額)
5,304.00円(≒5,304円)
四国電力 従量電灯A
◆請求金額
7,155円
※四国電力のプレスリリース(2023年5月30日) に記載されている金額を転記
出典:四国電力,プレスリリース,2023年7月分電気料金の燃料費調整について
差額
◆差額
-1,851円 = 5,304円 - 7,155円
以上の通り、四国電力との比較では、
Japan電力 くらしプランS(四国)の方が1,851円安いです。
10.九州電力との比較
下記の通り、九州電力の家庭向け規制料金プラン(従量電灯B)との比較では、
Japan電力 くらしプランS(九州)の方が154円安いです。
Japan電力 くらしプランS(九州)
◆基本料金
0円
◆電力量料金(従量料金)
6,760.00円 = 26.00円/kWh × 260kWh
◆燃料費等調整額(国の補助金込み)
-1,825.20円 = -7.02円/kWh × 260kWh
◆再生可能エネルギー発電促進賦課金
364.00円 = 1.40円/kWh × 260kWh
◆合計金額(≒請求金額)
5,298.80円(≒5,298円)
九州電力 従量電灯B
◆請求金額
5,452円
※九州電力webサイト で行った電気料金シミュレーション(2023年7月分・従量電灯B・30アンペア・260kWh・口座振替割引あり)の結果を転記
出典:九州電力,あなたの電気料金をシミュレーション従量電灯B,2023年7月9日
https://www1.kyuden.co.jp/php/ryokin_shift/public/user_hontou/index.php/user_hontou/ryokin_shift/jyuryo_b_result/
差額
◆差額
-154円 = 5,298円 - 5,452円
以上の通り、九州電力との比較では、
Japan電力 くらしプランS(九州)の方が154円安いです。
まとめ
2023年7月分は、関西エリアを除いて、Japan電力の方が安い結果となりました。
しかし、私自身はJapan電力に乗換える気は無いですし、家族や友人にもオススメしません。
なぜなら、私個人の予想としては、Japan電力の電気料金は年内に高騰(*)する可能性があると考えているからです。
(*)大手電力会社の規制料金プランよりも大幅に高くなる、という意味です。
冒頭で紹介した通り、Japan電力ではいわゆる電源調達調整費が導入されている(=実質的に市場連動型の電気料金プランになっている)ことから、電気の卸市場価格が高騰するとJapan電力の電気料金(*)も高騰します。
(*)具体的には、燃料費“等”調整額の単価が高騰します。
そして私個人の予想としては、「(現状では落ち着いている)電気の卸市場価格は、諸々の世界情勢を踏まえると、年内には高騰するリスクがある(楽観視できる状況ではない)」と考えています。
※参考:NHK(2023年1月25日記事) ・読売新聞オンライン(2023年5月16日記事)
電気の卸市場価格が「今後上がるのか下がるのか」については、日経平均株価が今後上がるのか下がるのかと同じように、正確・完璧な予想は誰にもできません。
そのため、私の予想が外れる可能性もあります。
とはいえ、「市場連動型の電気料金プランには“高騰リスク”がある」という点は、必ず認識しておくべきです。
2023年11月分の料金比較シミュレーションをしました!
詳細は、次の記事をご覧ください。
あと気になったのは、Japan電力の説明スタンスです。
Japan電力のwebサイトを見たところ、市場連動型の電気料金プランのデメリットである“高騰リスク”について、説明が不十分だと感じました。
※詳細な説明をしている箇所を、私が見落としたのかもしれませんが
(見落としが無いようマジメに探したつもりですが)
我々電気の使用者にとって重要な情報を十分に説明していないのであれば、企業スタンスとしては「うーん・・・」と思います。
※参考:ITmedia NEWS(2023年6月15日)
<Japan電力のwebサイト抜粋>
出典:Japan電力,電気代がお得なJapan電力,2023年7月14日時点
https://www.japaden.jp/lp13/
出典:Japan電力,よくあるご質問,2023年7月18日時点
https://www.japaden.jp/qa/index.html
Japan電力への乗換えを検討されている方は、高騰リスクと、Japan電力の説明スタンスを十分に意識して頂ければと思います。
今回は以上になります。
最後までお読み頂き、ありがとうございます!