※検証記事はコチラ
それじゃあ突き詰めて調べてみよう♪
ということで、今回は「グランデータの電気代が高騰した原因」について、突き詰めて調べてみました。
皆さんの電気料金プラン選びの参考になれば幸いです!
※本記事では、「2023年1月前後(冬季)」に、グランデータの電気代が高騰した原因を調べています。
※本文内の画像類は、クリック/タップすれば、拡大表示されます。
1.【高騰の原因①】電気の発電・調達コストが高騰したから
でも、2023年1月前後(冬季)では、私が把握している限り、グランデータの高騰ぶりが突出してるけどね。。
それは後で話すよ。
電気の発電コスト(化石燃料価格)の高騰
日本の発電方法は、火力発電がメインです。
出典:資源エネルギー庁,発電方法の組み合わせって?,2023年3月31日時点
https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/nuclear/001/pamph/manga_denki/html/007/
そして、火力発電には、石油・石炭・LNG(液化天然ガス)といった化石燃料が使われています。
この化石燃料価格が、2020年頃から値上がりし始め、2023年初頭時点では高騰しています。
出典:四国電力,燃料価格の動向とその影響について,2022年5月31日
https://www.yonden.co.jp/press/2022/__icsFiles/afieldfile/2022/05/31/pr010.pdf
電気の調達コスト(電気の卸市場価格)の高騰
電力会社(特に自前の発電所を保有していない電力会社)は、
電気の調達(仕入れ)方法の一つとして、
日本卸電力取引所(略称:JEPX)という、電気の卸市場を利用しています。
※<参考:日本卸電力取引所について>EnergyShiftの記事(2019年6月22日)
この電気の卸市場価格(スポット市場の月平均のシステムプライス)が、
2021年末頃から2023年初頭まで高騰していました(1kWhあたり20円前後)。
※<参考:日本卸電力取引所での電気の市場価格の推移>JEPX information
ちなみに、私個人の感覚では、
電気の卸市場価格が1kWhあたり12~13円を超えると
「(託送料金や人件費等のその他原価を加えた小売価格の相場からして)高くなってきたな~」と感じます。
※<参考:託送料金について>エネチェンジwebサイト
※<参考:発電コストについて>資源エネルギー庁webサイト
全国的な電気代の値上がり
電気の発電・調達コストの高騰に伴い、全国的に電気代が高騰しました。
※参考:日本生命webサイト
出典:日本生命,第153回「1年半で約3,000円の値上がり!?電気代はなぜ上がっている?」,2023年3月31日時点
https://www.nissay.co.jp/enjoy/keizai/153.html
余談ですが、全国的な電気代の高騰を受け、国の主導で電気代の値引きが2023年に行われます。
※参考:経済産業省 関東経済産業局webサイト
2.【高騰の原因②】「電気の発電・調達コストの変動額を電気料金に反映させる項目」の値上がり額が、グランデータは、他の電力会社よりも高いから
この項目の値上がり額が、グランデータでは、他の電力会社よりも高いことが原因だね。
それでは実際に、
「電気の発電コスト・調達コストの変動額を電気料金に反映させる項目」について、
グランデータ・楽天でんき・大手電力会社(家庭向け規制料金プラン)
を比較してみましょう。
グランデータの「電気の発電コスト・調達コストの変動額を電気料金に反映させる項目」
グランデータの
「電気の発電コスト・調達コストの変動額を電気料金に反映させる項目」は、
次の画像の「燃料費調整額」です。
ちなみに、次の画像の「燃料費調整額」の内、
「追加調整(加算・減算)×1ヶ月のご使用量」の部分は、
一般的には「電源調達調整費」と呼ばれています。
※参考:電気新聞webサイト(2022年5月26日記事)
出典:グランデータ,燃料費調整額について,2023年4月2日時点
https://grandata-service.jp/fuel/
グランデータは自前の発電所を保有していないようなので(*)、
グランデータは、「自前の発電コスト」の変動額については、燃料費調整額を通じて、電気料金に反映させていないと思います。
(*)根拠は、グランデータのwebサイト上の、次の記載の通り。
出典:グランデータ,よくある質問,2023年4月2日時点
https://grandata-service.jp/faq/
出典:グランデータ,【重要】燃料費調整額によって、ご請求金額が高額となっている状況について,2023年4月2日時点
https://grandata-service.jp/news/91894/
グランデータの
「電気の発電コスト・調達コストの変動額を電気料金に反映させる項目」の、
「単価」の一例です。
※他年月・他エリアの分については、グランデータのwebサイト をご覧ください。
出典:グランデータ,2023年3月分 燃料費調整額のお知らせ,2023年3月22日時点
https://grandata-service.jp/wp/wp-content/uploads/material/electricity/fuel_adjustment_2303.pdf
上記の単価を見ると、
2022年10月分から「追加調整単価」が新たに設定され(=ドカンと高くなり)、
2023年1月分の単価(燃料費調整単価 + 追加調整単価)が、突出して高くなっていることが分かります。
楽天でんきの「電気の発電コスト・調達コストの変動額を電気料金に反映させる項目」
楽天でんきの
「電気の発電コスト・調達コストの変動額を電気料金に反映させる項目」は、
次の画像(プランSの計算式)の、「市場価格調整額」という項目です。
※沖縄エリアを除く。
ちなみに、次の画像の「市場価格調整額」は、
一般的には「電源調達調整費」と呼ばれています。
※参考:電気新聞webサイト(2022年5月26日記事)
出典:楽天エナジー,プランS,2023年4月2日時点
https://energy.rakuten.co.jp/electricity/fee/plan_s/
楽天でんきを提供する楽天エナジー(株)は、自前の発電所を保有していないようなので(*)、
楽天でんきは、「自前の発電コスト」の変動額については、市場価格調整額を通じて、電気料金に反映させていないと思います。
(*)根拠は、外部サイト(新電力比較サイト) の通り。
なお、楽天でんきのwebサイトを見ると、「市場価格調整額」は、電気の「調達コスト」の変動額を電気料金に反映させていることが分かります。
出典:楽天エナジー,Q. 楽天でんきの「市場価格調整単価」とは何ですか?,2023年4月2日時点
https://energy.faq.rakuten.net/s/detail/000007010
楽天でんきの
「電気の発電コスト・調達コストの変動額を電気料金に反映させる項目」の、
「単価」の一例(2023年1月分)です。
※他年月・他エリアの分については、楽天でんきのwebサイト をご覧ください。
出典:楽天でんき 市場価格調整単価のお知らせ 2023年1月分
2023年1月分の単価については、北海道~九州(*)で、
楽天でんきの単価は、グランデータの単価と比べると、
半額以下(九州では1/3以下)になっていて、大幅に安いです。
(*)沖縄エリアは、そもそもグランデータの供給エリア外。
参考に、
グランデータ(ONEでんきフリープラン)と、
楽天でんき(プランS)で、
2023年1月分の電気料金を比較してみました。
電気料金の算定条件や計算過程などの詳細については、次の記事をご覧ください。
大手電力会社の「電気の発電コスト・調達コストの変動額を電気料金に反映させる項目」
大手電力会社(家庭向け規制料金プラン)の
「電気の発電コスト・調達コストの変動額を電気料金に反映させる項目」は、
次の画像の「燃料費調整額」です。
出典:電気事業連合会,電気料金のしくみ,2023年4月2日時点
https://www.fepc.or.jp/enterprise/ryokin/index.html
大手電力会社(家庭向け規制料金プラン)は、電気の「調達コスト」の変動額については、燃料費調整額を通じて、電気料金に反映させていません(*)。
(*)根拠は、電気事業連合会のwebサイト(f-2の箇所) の通り。
大手電力会社(家庭向け規制料金プラン)の
「電気の発電コスト・調達コストの変動額を電気料金に反映させる項目」の、
「単価」の一例(2023年1月分)です。
※他年月・他エリアの分については、各社のwebサイトをご覧ください。
◆東京電力エナジーパートナー(従量電灯B)
5.13円/kWh
出典:東京電力エナジーパートナー,燃料費調整のお知らせ(2023年1月分)
https://www.tepco.co.jp/ep/private/fuelcost2/backnumber/2301.html
◆関西電力(従量電灯A)
33.66円(最初の15kWhまで)
2.24円/kWh(15kWhをこえる1kWhにつき)
出典:関西電力,燃料費調整単価のお知らせ(2023年1月分)
https://kepco.jp/ryokin/seido/past/
2023年1月分の単価については、北海道~九州(*)で、
大手電力会社(規制料金プラン)の単価は、グランデータの単価と比べると、
桁が違うレベル(中には1/10以下のレベル)で安いです。
(*)沖縄エリアは、そもそもグランデータの供給エリア外。
参考に、
グランデータ(ONEでんきフリープラン)と、
大手電力会社(家庭向け規制料金プラン)で、
2023年1月分の電気料金を比較してみました。
電気料金の算定条件や計算過程などの詳細については、次の記事をご覧ください。
3.「電気の発電・調達コストの変動額を電気料金に反映させる項目」の値上がり額が、グランデータでは、他の電力会社よりも高い理由
「自前の発電所を保有していない他の電力会社(楽天でんきなど)と比較した場合」の理由ではないね。
(*)グランデータwebサイト
出典:グランデータ,【重要】燃料費調整額によって、ご請求金額が高額となっている状況について,2023年4月2日時点
https://grandata-service.jp/news/91894/
4.【疑惑】グランデータの電気代は「利益デカ盛り」?
例えば、上記2の通り、楽天でんきは、グランデータほど値上げしてないね。
グランデータのwebサイトを見ても、答えを見つけられなかった。
「電気の発電コスト・調達コストの変動額を電気料金に反映させる項目」の金額については、
グランデータも、楽天でんきも、約款(契約書)に定められている算定式に基づいて算出されます。
そのため、この算定式の違いによって、
「電気の発電コスト・調達コストの変動額を電気料金に反映させる項目」の金額に、違いが生じます。
ただ、グランデータも楽天でんきも自前の発電所を保有していないにも関わらず、
グランデータと楽天でんきの算定式が大きく異なる(算定金額が大きく違う)理由が、
私には分かりません。
そのため、グランデータの算定式は、その設計内容が、
「電気の発電コスト・調達コスト(仕入原価)の変動額だけでなく、
多大なマージン(利益)も電気料金に上乗せするようになっているのではないか?」
といった見方もできてしまいます。
まさに、グランデータ自身もwebサイト
「グランデータが不当に必要以上の利益を得ていると思われても致し方が無い状況」が生じています。 で言及している、
出典:グランデータ,
2023年4月1日 電気供給約款の変更について,2023年4月4日時点
https://grandata-service.jp/terms_change_230401/
グランデータには、
「電気の発電コスト・調達コストの変動額を電気料金に反映させる項目」の算定式の設計内容について、
自前の発電所を保有していない他の電力会社(楽天でんきなど)を引き合いに出しながら、
電気の発電コスト・調達コストの変動額だけを電気料金に反映しているのか?
多大な利益を上乗せしていないのか?
の観点から、詳細に説明して欲しいと思っています。
まとめ
グランデータの電気代が高騰した原因について、次の2点を紹介しました。
①電気の発電コスト(化石燃料価格)・調達コスト(電気の卸市場価格)が高騰した。
②「電気の発電・調達コストの変動額を電気料金に反映させる項目」の値上がり額が、グランデータは、他の電力会社よりも高い。
しかし、②の原因については、グランデータは十分に理由を説明しておらず、
「グランデータが不当に必要以上の利益を得ていると思われても致し方が無い状況」が生じているように思われます。
グランデータは、この点について十分な説明をしないと、
既存の契約者だけでなく、
マスコミなど、社会全体からも厳しい目を向けられ続けると思います。
「グランデータの電気代は高すぎ」という件に関するニュース
ところで、
「電気の発電コスト・調達コストの変動額を電気料金に反映させる項目」について、
次の記事でも解説しているので(グランデータについても取り上げているので)、
是非お読みください。
今回は以上になります。
最後までお読み頂き、ありがとうございます!